野中広務・辛淑玉『差別と日本人』角川書店(角川oneテーマ21)(2009.6.10初版発行)
政治家の書いた本は、これまで殆ど読んだことがないが、この本は、書店でたまたま見掛け、とりあえず読んでみようと思い、買った。
野中広務と辛淑玉との対談である。
読み始めると止まらず、一気に読み終えた。
対談ではあるが、とても読みやすいように整理されている。
「本書を通読することで、いまもまだ根強く残っている差別の実態が読者に伝わり、差別が少しでもなくなる方向に向かえばこんな嬉しいことはない。」(「あとがき 野中広務」197頁)
裏表紙に書かれている文言を引用し、本書の概要を示す。
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本書のテーマ 差別
差別の実態を知る者が
明らかにする日本の真実
▼昭和という時代と差別
▼自民党という不思議な政党
▼関東大震災における虐殺
▼部落差別は地域差別ではない
▼野中広務と共産党・解放同盟
▼麻生首相の暴言
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メモ書き
○「差別は、いわば暗黙の快楽なのだ。例えば、短絡した若者たちが野宿者を生きる価値のない社会の厄介者とみなし、力を合わせて残忍なやり方で襲撃する時、そこにはある種の享楽が働いているのだ。それは相手を劣ったものとして扱うことで自分を保つための装置でもあるから、不平等な社会では差別は横行する。そして、あたかも問題があるのは差別される側であるかのように人々の意識に根付き、蓄積されていく。
時の権力は、権力に不満が集まらないようにするためには、ただ、差別を放置するだけでいい。そうすれば、いつまでも分断されたシモジモ同士の争いが続く。」(「まえがき 辛淑玉」 18頁)
○「一般に、日本の社会は、そのリーダーに政治的な思想性や時代に対する先見性を求めない。求められるのは、ムラの利益のために、けっして「恥を外にさらす」ことなく、かいがいしく人々の「世話」をしてまわることだ。そして、原理原則や公平さなどとは無関係に、とにかく「もめごとを処理する」こと。この延長線上に日本の政治がある。」(43頁 辛淑玉氏による解説)
○「差別したいとき、人々は、そのときの差別に都合のよい基準をもっともらしく設けて差別を繰り出す。」(70頁 辛淑玉氏による解説)
「差別は、古い制度が残っているからあるのではない。その時代の、今、そのときに差別する必要があるから、存在するのだ。差別の対象は、歴史性を背負っているから差別されるのではない。」(168頁 辛淑玉氏による解説)
●「京都府議会議員」(2頁)
「京都府会議員」(71頁)
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