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2009年8月24日 (月)

戸田忠雄『公務員教師にダメ出しを!』筑摩書房、2008.11.10初版発行

Dsc08076 「学校教育法など教育三法が改正され、学校の自己評価性が法的に義務化されました。それを活用して教員評価をするさい、それらの目安になるものが必要です。どういう基準で校長や教師を評価するのか。国民や保護者のみなさんに教員評価のモデルを提供したいという気持ちもありました。」(「おわりに」231頁)
 
 保護者・児童生徒による教員評価を行うべきだという主張及びその具体的なモデル(狛江市立第三中学校)を示すことが主眼であろう。
 
 前半は、教員評価が必要性を訴えるためであろう、教育現場の実態(特に、教員や校長)が描かれており、この部分は面白い。
 
 筆者は、公立高校長や予備校校長などを歴任しており、研究者というわけではなさそうだ。
 
 
○論理が理解しにくかったところ
「市場の評価(学習者の評価)は、内閣府の調査のように、塾・予備校教師のほうが教え方が上手という人が七割で、残念ながら塾に軍配が上がっているも同然です。こうした指摘に対し、学校はただ勉強を教えるだけではなく人間を育てていると反論する人が必ずいます。それなら塾や予備校は人間以外の動物、例えばブタやウシを育てているのか? という話になってしまいます。塾であれ、学力向上という目的のもとに人間を育てていることに違いはありません。」(44頁)
 
 
 
素直に感心したところ。
○「「よい先生」については、学習者によって見方が分かれます。理想の先生像は、学ぶ側からみればさまざまでしょう。ちょうど、国民からさまざまな個性の政治家が選ばれるようなものです。学習者にとってそれぞれの「よい先生」がいて、それでよいのです。」(112-113頁)
 
 
メモ書き
○「ダメな教師像の基本の三大類型は、サド系、セクハラ系、無能系です。」(114頁)
 
○「現代はコンプライアンス(法令順守、規範遵守)を厳しく問われる時代です。児童生徒に順法精神を教えるべき教師の違法行為は、断じて赦されません。」(122-123頁)
 
○「学力不足の教師は、ネズミを捕らないネコと同じです。」(129頁)
 
○「この種の教育実習に、小学校教育の欠陥が集中的に現れているような気がします。専科主義ではないので、教科内容の理解を深めるより教師としてのふるまい方と児童への接し方に特化することによって、教育実践の専門家として他の学問領域と差別化したいという意図がありありと見えます。
  この考え方の延長線上で、教育実践と称する実習を大幅に取り入れた教職大学院という新たな制度がスタートしています。これでは基本的に教師の学力向上はのぞめないような気がします。もちろん、すべての教育実習がこんなふうに行われるわけではありません。主として中高校免許の教育実習は母校で行うケースが多く、多くは授業内容の充実が主眼となっていると思います。授業技術や心構えを重視するやり方は、小学校免許取得の教員養成系に特徴的なもののようです。」(134頁)
 
○「齋藤孝氏は、勉強が好きで得意だから難関大学に入ったような学生が小学校の教員になれず、「勉強が苦手だったと思われる人が小学校教員になっているケースが、意外なほど多いのだ」から「極端に言えば、実際に採用するかは別として、東大や京大を出た学生にはフリーパスで小学校教員の資格を与えてしまってもいいと思っている。彼らは子どもの頃から勉強が得意で、勉強のコツを知っている」(『週刊ダイヤモンド』二〇〇五年四月九日号)と指摘しています。」(135頁)
 
○「つまり、管理職の主たる仕事は教師集団を通じて児童生徒を管理することです。子どもを教育することと教師を管理することは、まったく次元の違う事柄なのです。だから、教師として優秀だからといって、必ずしも教頭、校長など管理者として優秀であるとはかぎらないのです。」(152頁)
 「しかし、教師は子どもと違って主体性のある個人です。簡単に管理職の言うことを聞きません。また、つねに児童生徒たちに言うことを聞かせてきた大人たちです。言うことを聞かせたり自分に従わせる経験は豊富ですが、他人の言うことを聞いたり他人に従うことなど不得意なのです。同様に他人に命令することはあっても、命令されることなど大の苦手です。」(153頁)
 
○(会社では)「組織で仕事をする以上、否応なしに上司とのつき合いを学ぶことになります。いや、学ばざるをえません。他人に管理され、また他人を管理する難しさを身につけます。働くということは、つまりそういうことなのです。管理される者の苦労がわからない者に管理はできないし、また、管理するほうも苦労します。」(152-153頁)
 
○「むしろ、塾や家庭教師や予備校と比べて、学力指導では学習者の信頼を失ったせいか、学校は人間を育てるところと勝手に位置づけ、「人間教育」という理念にむやみに傾斜しているようです。」(180頁)
 
 
 

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