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2009年6月29日 (月)

木戸牛齋『和牛おもしろ雑話』創栄出版、1997.7.10発行

Dsc08079 著者の本名は「木戸正」、獣医師で和牛・肉牛・食肉関係のいろいろな仕事に携わってきた人(奥付頁著者紹介、「まえがき」「あとがき」による)。
 
 単なる素人が雑学を紹介しているのではなく、仕事として長らく携わってきた著者が仕事を含めて「和牛」に関する様々な話をまとめたもののようだ。
 
 「雑話巻の一」では、牛にまつわる薬、諺、地名(山、川など)、駅名、牛地蔵の恐い話、牛を題材にした韻文などが紹介されており、この部分は、まだ、「素人」でもちょっと調べれば書けるような「雑話」である。
 
 「雑話巻の二」では、和牛の歴史(記紀類など古典、絵、神社、お祭りなど)が書かれており、次第と、マニアックになっていく。
 
 「雑話巻の三」では、和牛の戸籍、品種改良、鼻紋など和牛の関係者ではなければ余り知らない内容が書かれており、和牛に関わってきた筆者らしさが、滲み出してくる。
 
 「雑話巻の四」では、一点、「牛肉」の話となり、牛肉の駅弁や牛肉の銘柄のあれこれや牛肉の食文化の流れなど、一般の人にも興味津々の話がつづられている。
 
 
 「牛の体で利用出来ないものは鳴声だけだと昔から言われている。まさにそのとおりである。犂(すき)をひいては田畑を耕し、荷を運び、栄養タップリな乳も出し、糞尿は有機肥料となり安全な農作物の基となる。」(10頁)
 
 
 ひょんなことから読み始めた本だが、なかなか面白かった。
 
 
メモ書き
○(古事記や風土記など)「文字や文章で、ご先祖さまの存在をうすうすながら知ることができても、まだ現物を見るまでは実感が湧かないのは当然である。そんな時には考古学の出番が廻ってくる。まず、牛の骨の存在だが、鹿、猪、馬、犬などに比べて牛の骨の出土は非常に少ない。考古学者も縄文時代には、まだ棲息したり飼育されていたという証拠はみられないという。」(弥生時代になると少ないながら出土例がある)(84-85頁)



 


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2009年6月15日 (月)

秋月高太郎『日本語ヴィジュアル系 ―あたらしいにほんごのかきかた』角川書店(角川oneテーマ21)、2009.1.10初版発行

Dsc07882
 最近の、Webやメールでの、若者が使う新しい表記(特に小字、句読点など)について詳しく書かれている本かと思って読み始めたが、必ずしもそうではなかった。
 確かに、そうした新しい表記について書かれてはいるが、(一応)主眼は、そうした表記を参考にしながら、筆者独自の新しい表記法(「ネオかなづかい」)を提案しようとするものであった。
 
 「新しい使い方がどのような利点をもっているかを考え、その利点を伸ばしていくという立場から、新しい日本語の表記の可能性というものをさぐってみたい」(10頁)
 
 「第一部 【導入編】ヴィジュアルな日本語 第一章 日本語はヴィジュアル重視」では、「日本語がヴィジュアル的な言語だと言われる理由や、日本文化で育った人々が文字のヴィジュアルにより敏感だと思える理由」を扱っている。
 
 そして、「第一部 第二章 デジタル書きことば革命とその後」では、「私たちが日常扱う文字の主流が、紙に書かれた文字から、デジタル・アートであるデジタル文字に置き換わることで、従来の書きことばでは起こりえなかったような現象が起こるように」なったとして、漢字の誤変換、文字化けのアート、顔文字、アスキーアート、ギャル文字などを取り上げている。
 
 「第二部 【実践編】ネオかなづかい」で、「ネオかなづかい」の提案が書かれている。
 例えばつぎのような提案である。
  「ネオ小書き文字「っ」」 強調や驚き、音の休止
  「ネオかな小文字」「ぁぃぅぇぉゎヵァヶ」 長音や助詞の表記
  「ネオ外来語表記」 
  「ネオ四つがな」
  「ネオ濁点文字」 「濁」のイメージ
  「ネオ長音符号」 感情の高ぶり  「~」は抑揚のある伸ばされた音
  「ネオ句読点」 「。。。。」「、、、、」「モーニング娘。」「藤岡弘、」「m(_)m」など
  
  
 で、どうせなら、書名も、「ネオかなづかい」を使って、例えば
  『日本語ぉ も~~っと ヴィジュアルに。。。。。』
とかにしたらよかったのにと思った。
  
 
  
メモ書き
○「「ちぢみ」の「ちぢ」や「つづく」の「つづ」は、それぞれ、「ちち」や「つつ」という、同じ音の連続の後部が濁音化したものです。」(169頁)
 
●「濁点を、無声音を有声音に変えるという音声学的な機能をもった記号ととらえる限りでは、有声音を表す「あ」や「な」に濁点を付けることは無意味です。しかし、濁点を、「濁」のイメージを表すための記号ととらえれば、あらゆるかな文字に付けることが可能になります。」(199頁)
 
○「茶道/佐渡」(212頁):「茶道」は「サード」の誤植だと思われる。本文と食い違いが生じる。
 
 
 

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